東慶寺イワタバコ

東慶寺のイワタバコ
北鎌倉の東慶寺（鎌倉市山ノ内、JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩５分）は1285年（弘安八年）創建され、かって尼寺として栄え駆け込み寺として知られていますが、四季を通じ豊富な花暦をもつお寺でも有名です。この時期境内のアジサイとともに、山あいの岩肌にびっしりと群生して咲くイワタバコの花は必見です。
イワタバコは谷間や山地の湿った崖面など日陰の岩肌に着生して群生する多年草です。初夏から夏にかけ１０㎝位の花茎に可憐な淡紫色の星型の花を咲かせます。葉は光沢があり大きな楕円形でタバコの葉に似ていることからこの名が付いたとのことで、葉は山菜として食べられ薬草にもなるそうです。所謂タバコとは関係はないようですね。東慶寺の静かな山あいに一斉に咲くさまは、歴史を語る小さな星や宝石があたり一面に輝いているような雰囲気をかもし出し気持ちを和ませてくれます。（もっと素敵な名前があればいいですね！！）

このような自然水がしみだしてくる岩肌に糸のようなひげ根を密に固めて岩に食い入るように着生し群生しています。鎌倉や逗子の湿った岩場などにも自生しているのが見られますが、ここ東慶寺ほどの群生は珍しいようです。	イワタバコの咲く東慶寺山あいの岩肌はこんなに切り立った急な崖面ですが、しっかりと着生して花を咲かせています。墓地方面から下りてきたところでこの先左側に本堂があります。ご本堂の泰平殿を紹介しています。